**活動10周年記念に寄せて [#z3cbb9fa]
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-美麻地域づくり会議10周年を迎えて 会長 前川浩一
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 平成の市町村合併の話が持ち上がり、世間が騒がしくなった平成16年ごろ、美麻という地域がどうなってしまうのだろうと非常に不安になったことを思い出します。当時私はメンドシーノとの国際交流ボランティアを通じて、美麻地域の教育や文化に関心を持っており、それが無くなってしまうとこの地域の将来にとてもマイナスだと考えていました。しかし、この問題だけを取り上げても美麻は将来に続いて行かないと思うようになりました。当初、私は合併反対の思いを持ち始めて行動しましたけれども、ある先生の話を機に現実を見極めて地域の未来を考えるしかないと思いを改めました。
 それは将来に続く「まちづくり」という観点でした。それからは住民による自主的な勉強会を立ち上げて様々な講師を迎えて学びました。そこで、テーマになったキーワードは、「地域自治組織」「住民自治」、そして、今では当たり前の様に使われる「協働」という言葉でした。村で立ち上げた地域自治組織検討委員会で何度も何度も合併後の美麻について議論をしたことが本当に大変でした。地域づくり会議の立ち上げが市町村合併に間に合わず、5月にずれ込んだことも議論が長引いたせいです。しかし、それは今になって美麻に生きているように感じます。当時の熟議を基礎として、様々な課題を抱えながらも、多くのみなさんの知恵と努力と協力により、様々な活動を通じて今の美麻を作ってきたことが、市町村合併を機に、全国で数多く設立された地域自治組織の中で、今では、数少なく活動を実践する住民自治組織「美麻地域づくり会議」につながっています。実際、現在の美麻地区は移住希望者にとても人気があります。
 少子高齢化や過疎化が全国的な問題となる中、地域コミュニティのあり方も大きく変化しようとしています。美麻地区が今まで以上に美麻らしい地域であるためには、地域づくり会議が行政との協働により、住民自らの力で住みやすく、思いやりのある、そして、何よりも地域に住む人たちが、今後も住み続けられる地域としていくことが重要と思います。
 地域づくり活動は、小さな積み重ねと、継続が大事と言われます。美麻の地域づくりが10周年を迎えた昨年、地域の皆さんと共に耕し、種を蒔いてきた活動が、地域づくり活動では「第17回 中部の未来創造大賞」の大賞に、美麻コミュニティ・スクールの活動が「文部科学大臣賞」に実を結び、全国的にも評価されたことは、とても大事なことだと感じています。
 これまでの活動を振り返り、将来に繋ぐ糧として、10周年記念誌を作成いたしました。
 これからも地域の将来ビジョンを持って、力を合わせ、共に活気にあふれ、住みやすく、人に優しい「美麻づくり」を進めて行きましょう。
 美麻地域づくり会議 会長 前川浩一

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-初代会長(平成18 〜 23年度)、初代美麻市長、大町美麻自転車ロードレース実行委員長 合津富吉
早いもので合併して十年を迎えました。地域づくり会議の初代会長として、大勢の皆様に大変お世話になりました。在職中は無我夢中で踏ん張って我武者羅に進んで来たようで今となって反省する事ばかりです。振り返ってみるといきなり大海に飛び出し右も左も判らない中、研修視察では北海道から九州まで回って来ました。全部を取り入れる事は出来ませんでしたが、美麻地区の身の丈にあった成果に繋げることはできたと思います。合併前は、何でも行政任せにしていましたが、自らが主役にならなければ何も出来ないと思う人が増えたのではないでしょうか。
少子高齢化が進むなか学校の問題、福祉の問題など、取り上げれば限りが無いわけですが、美麻地区においては、特に学校の関係では大幅な改善がされたと思います。隅のほうに置かれていた印象のあった学校が、今では、全国からの視察を受け入れるようになりました。地域づくり会議も同様と思います。
これからの地域づくりでは、様々な情報が飛び交う中で、どれを参考にして行けば良いのか、自分達で見極め、判断し、実践することが課題となります。過去を反省し、大きな夢を持ち、将来を見据えて進んで行こうではありませんか。
地域づくり会議の会員として今後も自分なりに応援していきたいと思います。地域づくり会議の発展をお祈り申し上げます。
初代会長(平成18 〜 23年度)、初代美麻市長、大町美麻自転車ロードレース実行委員長 合津富吉

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-二代目会長(平成24 〜 26年度)、美麻地区連合自治会長 宮沢雄一
 平成24年4月から合津会長の後を受けて3年間会長役を務めさせて頂きました。就任当時は、大町市と合併してから5年余が過ぎて地域づくり会議が行う事業の重要性が皆に浸透して来ていたので地域づくり会議には期待が寄せられていたと思います。地域のこれからの先を見据えて何をどう取り入れて何をやって行くのかを課題として先進地の視察や研修を重ね、何回もの会議をした事が思い出されます。
 広報の発行、道の駅活性化の為の美麻市、特産品作り、アイ・ターンなど、移住や空き家対策等々の事業を行いながら、学校市民科授業への協力などで学校にも関わりました。その事が美麻小中学校コミニティースクール開校に地域づくり会議が関わる時に役立ったのではないかと自負しています。
 全国的に、少子高齢化が言われておりますが美麻地区も過疎化、高齢化に伴い限界集落が増えて地域役員の編成が大変になって来ているなど、地域づくり会議の果たすべき役割が年々増えこそすれ、減る事は無いと思います、そして地域を大切に思う心が育ち、より強い絆で結ばれた地域と成る為にも果たすべき事が今後も増えるものと思います。
 最後に成りましたが、私のような者が3年も役員を務められたのも、他の役員の皆様や多くの地域の皆様方のご支援ご協力あったからと改めて感謝申し上げます。
 いかに人口減少が続こうと地域づくり会議と言うボランティア活動が続く限り、美麻地区は元より大町市が発展するものと確信し、挨拶とします。
 二代目会長(平成24 〜 26年度)、美麻地区連合自治会長 宮沢雄一

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-元美麻村長 北沢伊さ男(「さ」は、糸左)
 美麻地域づくり会議が立ち上げられてから10年が過ぎましたが、顧みると、国土交通省の地域振興アドバイザーの指導を仰ぐ中で、合併してからも美麻地区を活性化させていかなくてはならないという、多くの皆様の思いと・熱意の下に、自治会長さん始め、各種団体の代表者によって設立が図られました。
 地域づくり分野の住民活動グループ相互の情報交流、活動交流とともに、地域社会における住民活動グループ、行政、企業等の連携が円滑に行われる環境を整えることにより、豊かな地域社会の形成・再生に寄与することを目的としておりますが、平坦な出だしではなかったと感じました。従来の慣習・慣例を変えることに抵抗を感じる人もあったと思いますが、それを我慢しあって大局に身を置く寛大さが、役員の皆様にあったからこそ営々と引き継がれてきたと思っているところです。
 「地域の活性化に、何処にも通じる、一般的な回答はない。」と言われているように、それぞれが、まず自分たち地域が持っているもの、今その土地にあるものを改めて洗い出し・認識し、昔やっていて今やらなくなったことを復活させ、暮らしの足元を見つめなおすこと等から始まり、いろいろの実習体験の催しを行っていただいた取り組みは、学校児童生徒だけでなく一般の人にも喜んでいただけたとおもいます。
 また、地域づくり会議で発行されている「みあさ通信」は、美麻地域の保育園や学校行事の活動状況等、幅広く美麻地域で取り組まれていることを広報頂き、知る機会を与えていただいていることに感謝の気持ちでいっぱいです。
 これからも、美麻地域づくり会議の益々の充実とご発展をご祈念申し上げましてお祝の言葉とさせていただきます。
 元美麻村長 北沢伊さ男(「さ」は、糸左)
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-美麻小中学校長  塩島 学
10周年、誠におめでとうございます。貴会は、地域の皆様が愛する「美麻」を守ろうとする熱い思いによって継続されてきた会と承知しております。それ故に、会の継続に当たって関係者の皆様をはじめ、地域の方々の並々ならぬ努力があったことと存じます。
 さて、美麻小中学校は昨年度よりコミュニティ・スクールとなり、地域と連携して学校づくりを進めております。その中に於いて、地域づくり会議との連携、ご協力は本校にとって不可欠です。地域のキャラクターとして存在する麻野大丸、地域に配信した総合的な学習新聞、コミュニティ・カレンダー等々、様々なご支援の元に成立しています。
 今後も数々のご支援をいただくことになるかと存じますが、ふるさと「美麻」を大切にする思い、地域と共に歩む覚悟は、美麻小中学校も同じですので、今後ともよろしくお願いいたします。最後に、美麻地域づくり会議の益々のご発展をお祈りし、簡単ですが、寄稿文とさせていただきます。
 美麻小中学校長  塩島 学

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**大町市長さんよりメッセージをいただきました。 [#u37d7f84]
 美麻地域づくり会議の活動が10年という大きな節目を迎えられましたことに、謹んでお祝い申し上げます。
 美麻地域づくり会議は、平成18年の3市村合併を契機に設立され、豊かな地域社会の形成に向け、美麻ならではの情報誌の発行や夏祭りの開催など、地域振興にご熱心に取り組んでこられました。その成果が認められ、昨年12月には、「中部の未来創造大賞」のご受賞というすばらしい栄誉に浴されました。10年余にわたり、地域の振興を図る活動を推進してこられた地域の皆さまに、心から敬意を表しますとともに、深く感謝申し上げます。
 合併当初、新市全体で32,567人(美麻地区1,216人)であった人口も、平成29年には28,472人(同963人)と大きく減少し、今後さらにこの傾向は続くと思われ、少子高齢化による担い手不足、空き家の増加などの新しい課題も現われてまいりました。
 大町市では、こうした社会情勢の変化に対応するため、29年度を初年度とする10年間の第5次総合計画を策定し、特に「ひとづくり」に全力を上げて取り組むこととしております。美麻地域では、カリフォルニア州メンドシーノとの特色ある交流や地域に開かれたコミュニティー・スクールの推進、他地域に先駆けての移住・定住の促進などに、いっそう積極的に取り組んでまいりますので、引き続きお力添えをお願い申し上げます。
 総合計画のテーマ「未来を育む ひとが輝く 信濃おおまち」の実現には、地域の皆さまとの協働が不可欠です。これからも市民の皆さまと行政がともに支え合い、豊かで持続可能な地域社会を共に創り上げてまいりたいと存じます。
 結びに、美麻地域のいっそうの振興と地域づくり会議のますますのご発展をご祈念申し上げ、ごあいさつといたします。
 平成29年3月吉日
   大町市長 牛越  徹

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**コミュニティ・スクールを応援いただいている先生方よりメッセージをいただきました。 [#b331cb94]
-ご縁とは素晴らしきもの 元長野大学教授、コミュニケーションデザイナー 池田 諸苗
 長野大学に赴任していた間に、ご縁あって美麻中学校の総合学習を手伝わせていただく機会を頂戴しました。
 研究テーマである「『郷土愛』を育むデザイン教育」の一環として取り組んだこの学習には、地域社会の協力が不可欠でした。それに、他の地域のどこよりも熱心に反応してくださったのが、美麻地域づくり会議さんでした。
 おかげさまで美麻中学校での総合学習は、予想をはるかに超える成果を上げることができました。地域社会と学校との連携の、代表的サクセス・ストーリーであると思います。
 その美麻地域づくり会議さんが10周年を迎えられたこと、心よりお祝い申し上げます。今後益々のご発展をお祈りいたしますとともに、地方創生の全国の模範ケースとして、さらなる実績作りを期待させていただきます。
 併せ、素晴らしいご縁を結ばせていただきましたことに、深く感謝申し上げます。
 元長野大学教授、コミュニケーションデザイナー 池田 諸苗

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-長野大学企業情報学部デザインコース教授 禹 在勇
 美麻地域づくリ会議の創立10周年を迎えられましたこと、心よりお祝い申し上げます。また、私も同会の活動に参加させて頂き、10周年という伝統の一歩を踏み出せたことに喜びもひとしおでございます。
 地域と美麻小中学校を結び、「郷土愛を育むデザイン教育」「地域のデザインを、住民自治で」という住民が主体となって運営するコミュニティ・スクールの取り組みが、移住定住対策などの活動より、第17回中部の未来創造大賞の『大賞』、美麻小中学校が平成28年度「地域学校協働活動」推進に係る文部科学大臣表彰を受賞など、大いなる成果を残したことに敬を表します。
 いうまでもなく、地域のデザインは、人びとの生活に対するさまざまな要求・願いを現実化していくための、社会的、実践的な行為であります。しかし、その要求・願いは、いずれの地域民にあっても、その地域民が歩んできた歴史的文脈、すなわち、地域が築き、継承してきた生活文化とその機構の文脈のなかに、しっかりと位置づけられていなければならないと思います。
 最後に、美麻地域づくり会議の皆様のますますのご活躍をお祈り申し上げます。
 長野大学企業情報学部デザインコース教授 禹 在勇

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**地域づくり会議の設立を応援いただいた先生方よりメッセージをいただきました。 [#l1abd76e]
-「美麻地域づくり会議」による共有価値の創造  江戸川大学社会学部 特任教授 鈴木輝隆
 私が、美麻村に初めて訪れたのは、2004年のこと。大町市との合併を前にして、合併後も米国カリフォルニア州メンドシーノと美麻の子どもたちの国際交流を続けたいと相談があり、みなさんと議論しました。
 2005年、合併に向けて住民自治組織の設立について、片山健也ニセコ町長(当時は役場職員)と一緒に、国土交通省の地域振興アドバイザー派遣事業で美麻に通い話し合いました。結果、2006年1月に合併、5月には地域の力を結集する住民自治組織「美麻地域づくり会議」が誕生しました。当時、小さな自治体は合併に備え、個性や伝統、生活を継承するためには自立した地域づくりが重要と考え、地域自治組織が誕生しました。しかし合併後、組織の多くは無力化し、予測通り中心部は栄え、周辺部は崩壊が始まりました。
 一方、美麻の住民自治は、合併後も健全に育っています。それは美麻地域づくり会議の意図がはっきりし、共有価値を創造しているからだと思います。
 10年間を振り返えってみますと、未来に向けての子どもたちの国際交流、景観や文化、経済の再創造、移住者支援、スポーツ大会の誘致、情報共有のための広報「みあさづくり通信」の発行、さらに熊本県山江村から学んだ住民ディレクター、山梨県甲州市勝沼町を手本に美麻市の開催、銀座みつばちプロジェクトや長野市松代町、ニセコ町など先進地視察や交流から情報を得て、住民自治組織を充実させることに一生懸命だったと思います。これまでの10年の成果を心からお祝いし、さらなる住民よる共有価値の創造を願っています。
 江戸川大学社会学部 特任教授 鈴木輝隆

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-関西学院大学教授 小西砂千夫
 人と人が結びつき、地域と地域が連携すれば、その土地は豊かになることはわかっていても、容易に進まないのは、そこで汗をかく人がいないからだ。特に、そこまでしなくても十分豊かに暮らしていける土地では、連携の輪は広がっていかない。私は、同じ大学の出身者ということもあって、前川会長の活動を通じて地域づくり会議の歩みを垣間見せていただき、まことに頭が下がる思いでいる。美麻という土地が生き残っていくための希望がそこにある。地域づくり会議の力があってのことだが、美麻の地域づくりを、市も大いに認め支援していただいていることにも感謝したい。美麻を大事にする姿勢を今後も維持していただくことが、大町市政にとってもプラスであると確信している。
 関西学院大学教授 小西砂千夫

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-北海道ニセコ町長 片 山 健 也

 美麻村から望む鹿島槍の美しさ、静の桜の佇まい。美麻村と大町市の合併に至る経緯の場に立ち合わせていただき、多くのみなさまとの重ねた率直な意見交換。美麻の伝統と相互扶助で培われてきた温かな風土を活かした地域自治組織の確立。懐かしさとともに、美麻の人々の地域へのほとばしる愛情が、今でも私の胸に熱く残っています。大町市美麻区のみなさまの素敵な人生を紡ぐ「美麻ライフ」に、北の国からエールを送り続けます。
10周年おめでとうございます!
 北海道ニセコ町長 片 山 健 也

 役職名等は、平成29年3月時点で表記しています。